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2.ncRNAとは

by admin last modified 2010-04-23 18:32 — expired
   ヒトゲノム配列の完全解読の結果、ヒトにおいて、タンパク質をコードする遺伝子数は約22,000であり、線虫(約19,000)やショウジョウバエ(約 20,000)と比較してもさほど変わらないことが判明しました。一方、転写産物の網羅的解析から、ヒトゲノムの大部分が転写されており、しかもその内の98%以上がncRNAであることが明らかになっています。生物種ごとに見ると、全ゲノムに対するタンパク質非コード領域の比率は大腸菌1%、線虫30%に対して、ヒト43%であり、ヒトが最も高い割合であると見積られています。このことから、生命の複雑さとゲノムに占めるタンパク質非コード領域の長さには相関があると考えられ、発生や分化などの高次な生命現象はncRNAが担っている可能性があると指摘されています。
   例えば、ncRNAの中で最も解析が進んでいるマイクロRNAは、特定のmRNAの3’-UTR領域に相補的に結合し、mRNAの翻訳抑制と分解を誘導し、発生のタイミングや分化の方向性を決定する分子であることが知られています。最近の研究で、ヒトにはマイクロRNAが1,000個程度存在し、それぞれが複数の遺伝子の翻訳抑制に関わっていることが明らかになり、実にヒトのタンパク質遺伝子の30%にあたる5,300個の遺伝子が、これらのマイクロRNAによって制御されていると推定されています。
   現在、ncRNAはその形状や機能、局在により分類されており、その代表例を下表に示します。

種類機能
miRNA翻訳調節遺伝子群に関与する
gRNARNA編集に関与する
rRNAリボソームの主要構成成分
tRNAコドンをアミノ酸に対応付けるアダプター分子
tmRNAtRNAとmRNAの機能をもつ
リボザイムRNA鎖の切断反応や連結反応を触媒する

   しかし、機能がわかっているncRNAは一部であり、まだ発見されていないncRNAも数多く存在すると考えられています。ncRNAの探索と解析は複雑な生命活動を分子レベルで理解するために重要であり、さらには医療などの分野に応用できると期待されていることから、ncRNAの研究が重要視されるようになってきました。


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